2026年7月1日に令和8年分路線価が公表されました。
一般の方には馴染みがないかもしれませんが、税理士にとってはこの「路線価」が重要な仕事の道具であったりします。相続や贈与により土地の名義が変更となった場合に、その土地の価格を計算するために「路線価」を使用し、税金を計算します。
国税庁(税務署の上部組織)では以下の「路線価図」というものを公表しており、毎年7月1日にその年の路線価が公表されます。路線価は道路ごとに付されており、その道路に面する土地の1㎡あたりの金額が記載されています。

では路線価図から江東区の主要拠点の路線価を調べた結果、以下のように変化しています。
| エリア | 対象地点 | 令和8年路線価 (千円) | 令和7年路線価 (千円) |
|---|---|---|---|
| 亀戸エリア | 亀戸駅北口 ロータリー | 2,590 | 2,170 |
| 大島エリア | 大島駅前 | 830 | 720 |
| 砂町エリア | 南砂町駅前 | 800 | 680 |
| 深川エリア | 東陽町駅前 | 1,300 | 1,100 |
| 門前仲町エリア | 門前仲町駅前 | 2,380 | 2,000 |
| 豊洲エリア | 豊洲駅前 | 2,640 | 2,240 |
例えば亀戸駅前に68㎡の土地を所有していた場合、令和7年の土地の評価額は147,560,000円だったのに対し、令和8年の土地の評価額は176,120,000円となり、1年で28,560,000円も土地の価値が増加したことになります。
【計算式】
令和7年 2,170千円 × 68㎡ = 147,560,000
令和8年 2,590千円 × 68㎡ = 176,120,000
もちろん上記の路線価は駅前の大きい道路に面した利便性の高い土地を計測したもので、駅から離れていたり、大きい道路に面していない場合は路線価は低くなります。
しかし、ここ数年で路線価は毎年高騰しており、10年で価値が2倍になることもあります。ぜひこの機会にご自身の所有している土地の路線価を調べてみてはいかがでしょうか。
マンション所有者が注意すべきポイント
また、「うちはマンションだから土地なんてほとんどないから大丈夫」と思われている方もいると思います。たしかに分譲マンションの場合、1つの土地のうえに多くの建物所有者がいるため1人あたりの所有する土地の面積は小さくなり、路線価の影響はあまり受けません。
ただし、「区分所有補正率(マンション節税の適正化)」の導入により、状況は大きく変わっています。
従来の計算では、マンションの敷地権(1戸あたりの土地持分)が非常に小さいため、相続税評価額が市場の取引価格(実勢価格)よりも大幅に低く抑えられていました。これが「タワーマンション節税」などとして活用されてきた背景です。
しかし、令和6年(2024年)1月1日以降の相続・贈与からは、築年数や階数、総階数などに応じて評価額を引き上げる新たな補正ルールが適用されるようになりました。これにより、土地の持ち分が小さくても、実勢価格との乖離が大きいマンションについては、相続税評価額が自動的に引き上げられます。
つまり、「マンションだから土地が小さくて税額は高くなりにくい」とは一概に言えなくなっているのが現状です。
- 高層階や築浅マンションほど影響大
評価額の引き上げ幅は「市場価格と相続税評価額の乖離率」によって決まるため、高層階や築浅の物件ほど評価額が上昇しやすくなっています。 - 路線価の上昇とのダブルパンチ
江東区内の豊洲や門前仲町、亀戸といった人気の湾岸・城東エリアでは、地域全体の路線価上昇に加え、マンション評価の補正ルールが重なることで、想定以上に相続税負担が増える可能性があります。
ご自身の資産価値・相続税額の確認を
土地(戸建て)をお持ちの方はもちろん、分譲マンションを所有されている方も、一度「現在の路線価」と「最新の評価ルール」に基づいた試算を行っておくことをおすすめします。
「自分の持ち家の路線価や評価額がいくらになるか詳しく知りたい」「相続税がかかるかどうか不安」という方は、ぜひお気軽にトータス税理士事務所までご相談ください。

